「第63回日本リハビリテーション医学会学術集会」一般口演 発表
一般口演33 2-8-4-6 「感染症拡大を最小化する技術について」
演題名:(英語)Technologies for Minimizing the Spread of Infectious Diseases
抄録本文
【はじめに】新型コロナウイルスパンデミックを契機に、空気感染・飛沫感染に対する技術的対策の未整備が明らかとなった。施設内の空気中ウイルス量を定量化し、感染対策を科学的に評価する手法の確立が求められている。
【目的】
空気清浄機フィルターを用いたウイルス捕捉とPCR解析により、実空間のウイルス量を可視化し、感染伝播抑制への有効性を検証する。
【方法】
電気集塵式空気清浄機フィルターを洗浄し洗浄液をPCR定量解析し、病院、病室内におけるウイルス量の時間変化を連続測定した。併せて感染者発生時の情報、換気条件、患者配置との関連を解析した。
【結果】
病室内ウイルス量は人流、発症後日数により大きく変動した。感染者発症直後は濃度が急上昇したが、空気清浄機を設置することで速やかに減衰し、同室者の二次感染が抑制される事例を複数確認した。現場スタッフの行動変容を促す効果も確認できた。
【考察】
本手法は従来の研究室レベル測定と異なり、日常環境で低コストに継続測定できる点が特徴である。空間ウイルス量に基づく具体的指標の提示は、医療・介護施設における迅速な感染対策判断に有用である。
【結語】
実空間ウイルス量の可視化は、感染症対策を経験則から科学的管理へ転換する基盤となる。多施設でのデータ蓄積により、感染濃度と感染率の関連解明や換気基準の設定に寄与すると考えられる。

